哀愁のシンフォニー
All Songs Box:4枚目21曲目
歌い出し:貴方の目が私を見て 涙浮かべてたその顔がつらい
白い霧が 二人の影を 優しく 包んでいたわ
ポイント:紙テープの乱舞!キャンディーズ史上屈指の歌謡曲らしい曲ではないでしょうか。
1976年11月21日発売のキャンディーズ12枚目のシングル曲。シングルでは「春一番」、「夏が来た!」、「ハート泥棒」の続いてのシングルカットで、この後が「やさしい悪魔」となります。この曲を境にして、プロデュース陣のキャンディーズのアダルトイメージへの方向転換の戦略が強かったことが感じられます。
作詞がなかにし礼、作曲が三木たかし、編曲が馬飼野康二と超豪華な布陣で制作されており、キャンディーズのシングルの中でも歌謡曲らしい仕上がりとなっています。
しかし、「哀愁のシンフォニー」といえば、紙テープ。特に往時のファンの方はその思いがひときわ強いのではないでしょうか。
哀愁のシンフォニーの動画
ランちゃんの表情が何ともですね。個人的にはリズムを刻むギターが印象的です。最後のパート、「何となーく こーわーい」のパートのミキちゃんの伸びのある声も注目。そして、やはり紙テープの嵐!!
哀愁のシンフォニーの聴きどころ
曲名からして、シンフォニーと題されている位のことはあって、豊かな展開をする曲なのだと思いました。イントロのパートだけでも、導入のギター、そしてこの曲の聴きどころである「ダバダー」のスキャット、ホーンセクション、さらにそれにかぶさるストリングと目くるめく感じです。
曲中のコーラスの展開、バックの演奏も様々な音が詰め込まれている感じがします。逆に間奏は非常にシンプルなピアノ。緩急の激しさをさらに際立たせます。しかし、あまり意識しないで聴くと耳が疲れることなく、自然に聴けるのは、三木たかし+馬飼野康二という歌謡曲の巨匠のなせる技なのでしょうか。
ちなみに歌詞は、イメージ先行という感じで、全体を通して眺めると意味が良くわからん感じです。実はこの曲は原型バージョン(没バージョン?)で「霧の別れ」というのがあります。こちらの曲だと歌詞のストーリー展開が具体的で理解できるものです。しかし、こちらは歌詞がストレートすぎとのことでダメ出しがあったということです。(すみません、この記述「その気にさせないで」と勘違いしていました。)この結果、歌詞が変更され印象的になり、逆にイメージ先行の名曲「哀愁のシンフォニー」となったのではないでしょうか。
※霧のわかれの動画もありました。
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正直、私の一番のお気に入りの曲なので、どのようにコメントするか、慎重になっています。
実はこの曲はキャンディーズの曲として当時からから知っていたわけではなく、後から何かのきっかけか知って、曲の魅力でずっと気になっていたものです。格調を感じさせる題名とイントロ、低く始まって(アラビアのロレンスか宇宙戦艦ヤマトかみたいなメロディー)、途中絶妙な短いパッセージを経て転調(別のところで書いたので省略)、甘い中間部と。そこでのソロと合いの手の興味深いかけあい、そして盛り上がり(テープ投げの件は後で知った)、見事な曲だと思います。
歌詞の内容は確かにストーリー性は弱いですね、イメージ先行とはうまい表現です。でも最終の「なんとなくコワイ」で、まあ揺れる乙女心とでも言っておけばいいのではないかと。
それと、霧の別れについて、この世界でも試作・・・それもちゃんとレコーディングして・・などとキチンと仕事をしてたんだなということがよくわかる記録ですね。編曲は今一歩と思いますが、ややごつごつした曲想が原石のようにも思えて興味深く思いました。(ブルックナーの版の違いみたいな・・・やや大げさか)
実際にキャンディーズが歌っている記録では、この曲に関してはコンサートよりスタジオのもの或いはレコードの方が好みです。まあ感じ方は人それぞれなのでしょうが、「テープ投げの曲」といわれると、それだけではないと思うがと・・・こう書くと、お前は何考えてるんだ、退場!といわれそうな気が・・・・
01 4月 2012 at 12:17:58
うめじいさん、早速のコメント頂きありがとうございます。
確かに思い入れのある曲は、いろいろな要素があるのでコメント難しいですよね。
コンサートのバックのメインはキーボード、ホーンセクションなので、スタジオ版のアレンジの重厚感を期待するのはさすがに難しいと思います。その代り、ドライブ感を増して、補っているのかなとも思いました。
03 4月 2012 at 15:37:36
私にとってこの曲はとても思い出深い曲です。
なぜかというと、小学生だったわたしが、はじめてドキッとした曲だからです。
当時、友達のお姉さんが中学生でこの曲のレコードを聞かせてもらい、彼女がレコードに合わせて何度も口ずさんでいたのが印象に残っているからです。
今思えば彼女は好きな男の子を想いながら何度もレコードをかけていたのかもしれません。
「こっちを向いて 涙をふいて あなたのこと 愛せるかしら なんとなく恐い」
と流れてくるキャンディーズの歌声に合わせて口ずさむ彼女の横顔が、大人の女性にみえてドキドキしたのを憶えています。
この曲が好きな女性ファンは沢山いるのではないでしょうか?
adminさんの「哀愁のシンフォニーの聴きどころ」まさに同感です。
adminさんの素晴らしい分析力にただただ驚くばかりです。
「霧のわかれ」を初めて聞いた時は、まるで新曲を聞いた様なドキドキ感がありました。
今だから感じる事なのですが、ドラムのハイハットの音が「哀愁のシンフォニー」よりもクリアーに聞こえて、ハイハットのオープンクローズが絶妙でホーンセクション、ストリングに劣らない存在感を感じます。
2008年に「霧のわかれ」が発表されたことをとても嬉しく思いました。
23 5月 2013 at 12:09:55
crossroadさん、こちらのコメントの返信が漏れていました。失礼しました。
なかなか淡い思い出ですね。当時の女子にも共感できる歌詞だったのでしょうか。そのあたりの感覚に鈍くて、すんません。
自分はキャンディーズでリアルタイムに覚えているのは、「ハートのエース」と「春一番」と「暑中お見舞い」くらいです。本当に覚えているだけですが。
本文に書いていますが、「哀愁のシンフォニー」ではライブバージョンのリズムを刻むギターがかっこいいと思います。当時のファンの方はもしかしたら、紙テープの準備に追われて、それどころではなかったのかもしれませんね。
12 6月 2013 at 8:54:41