悲しみのヒロイン

作詞:伊藤 蘭;作曲:伊藤 蘭 西村耕次;編曲:田辺信一;
All Songs Box:7枚目20曲目
歌い出し:誰も話し相手 背中向けてしまう 風が強い夜は 一人泣いたもの
きれいな物だけを見つめていた 私ね まるで世界中の悲しみを背負った
ドラマのヒロインみたい
ポイント:ランちゃんの複雑な心境がうかがえる深い歌詞。 自分も疲れた時によく聞いています。

全曲オリジナルの「早春賦」の一曲。ランちゃんの自作曲。ランちゃんの自作曲といえば、ファイナル・カーニバルでも歌われた「アンティックドール」に注目がいきがちではないかと思います。しかし、個人的にはこの「悲しみのヒロイン」に最も解釈の深さを感じています。
作曲は西村耕次がサポート(共作)、編曲は田辺信一となっています。西村耕次はMMPの当初ギタリストでこのころにはMMPを離れているようですが、関係は切れていなかったのでしょうか。ライブでのクライマックスの一つでもある「ダンシング・ジャンピングラブ」の作曲といえばわかりますよね。
※この背景は自分にはわからなかったので、詳しい方がいたら教えてください。

「悲しみのヒロイン」の動画

よくできた映画のように1回聞いただけでは魅力が充分に伝わらないかもしれません。何回も聞き直すことをお勧めします。

悲しみのヒロインの魅力

このころのランちゃんの曲はどういうジャンルにカテゴリーすればいいのでしょう?ニューミュージックでもAORでもぴったり来ないように思います。
ピアノとベース、ギター、オーボエ(?)、ストリング、コーラス(おそらくキャンディーズ以外の)、ホーンと一通り整ったアレンジといえます。そしてエンディングも印象的ですね。しかし「悲しみのヒロイン」の魅力は何と言ってもその歌詞とボーカルにあると思います。
ボーカルは聴いていてあれ?と思うようなところがあります。声の伸びが若干足りなかったり、不安定に震えていたり。ちょっと不完全な印象を受けますが、この曲の歌詞を伝えるには良いのかなとも思ったりします。これは時間がない中レコーディングからなのでしょうか。泣いているようにも聴こえなくもないですが・・・
そして歌詞。ランちゃんは歌詞に大分当時の感情を混ぜこぜたのでしょうか。全体としては「あなた」という2人称が出てきてラブソング調といえるのかもしれませんが、あまりそんな感じでは受けないですよね。タイトルも「悲しみのヒロイン」と、やはり自分の境遇を歌った歌なのでしょう。

赤いリンゴかじり はだしのまま歩きたい
いつも思うだけ ヒールにつかれた かかとを撫でながら

この辺りまでは疲れた感情がうたわれているのでしょうか。ヒールは他の曲でも出てきますよね。キャンディーズでいることの一つの象徴だったのでしょうね。
そして1番から2番に移ると若干ポジティブな感じに変わります。

その笑顔よく見せて もう少し笑ってね
別れの時の前に 覚えておきたいあなたを

そしてエンディング近くの、「別れの前・・」は、キャンディーズの解散をやはり意識した曲なのだとは思います。そういう意味ではミキちゃんの「あこがれ」や「For Freedom」とも相通じるものを感じます。しかし、ミキちゃん自作曲と対比するとミキちゃんの方がきっぱりとしていて、二人の性格がわかるようです。ランちゃんにはもう1曲「黄色い船」という曲がありますが、こちらも明るい曲調ながら迷いを感じられる歌詞ですよね。このあたりの曲を想像するとランちゃんが最も複雑な心境だったのだろうなあと思います。

とりあえず、何度も聴いていただくとさまざまな印象を受ける佳曲ではないでしょうか。



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4 コメント

「悲しみのヒロイン」への4 件コメントがあります。

  1. わなうさ

    admin様こんにちは
    「悲しみのヒロイン♪」ほんと名曲ですね!
    グループ解散前のランちゃんの心境を綴っているように思えます。
    特にファンの方への感謝の気持ちをランちゃん独特のスケール感で伝えようとしているのではないでしょうか?
    また9月のドタバタ解散でなく4月へ延ばしたことにより気持ちの整理もつき、三人も人間としてよりレベルアップが出来、こういった名曲の誕生につながったのではとも思います。
    尚、サウンド的には良く分かりませんが転調を繰り返すことでメロディに深みをもたらせているのではないでしょうか?

    04 11月 2012 at 11:19:50

  2. admin

    わなうささん、早速のコメントありがとうございます!
    「あこがれ」のミキちゃんとは趣は異なりますが、ランちゃんの個性がよく出ている曲と思います。
    ほんとうにこの解散が延びた半年間というのは商業的な価値もあったのでしょうが、そこで生まれた作品は本当に宝物以外の何物でもないですよね。

    06 11月 2012 at 20:52:08

  3. わなうさ

    確かにランちゃんのボーカルはちょっと不安定な感じもしますが、感情が込みあげてきている様子が分かりライブ感がありGoodだと思います。聴き手の心を揺さぶります。
    またランちゃんは責任感が強いため言葉の選び方が慎重になり「迷い」が感じられるのかもしれませんね・・・?
    尚、コーラスももしかするとランちゃんが多重録音で歌っているのでは?とも考えます。早春譜の他の曲にも通じますが。大分音を加工していると思いますが。声質の違和感があまりないので。

    08 11月 2012 at 22:08:08

  4. admin

    わなうささん、コメントありがとうございます。
    「早春賦」の3人の曲、特に別れ関連の曲を比べると3人の性格(と年齢などによる境遇の差)を感じますよね。ミキちゃんは決意、スーちゃんは楽観、ランちゃんが一番複雑な感じがしますね。当時の彼女は想像できないような重荷を背負いつつ活動していたのだと思います。(それなのに見ごろ!では自分たちのパロディのようなこともやったり・・・)

    ご指摘の通り「早春賦」はボーカルの処理を含め、かなり加工がされている印象を受けます。時間のない中の制作なのでしょうね。3人が個々にというのが多そうですよね。コーラスはどうなんでしょうねえ。違和感はないですがちょっと声質が違う気も・・・

    13 11月 2012 at 22:49:06

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