キャンディ・サンデー
All Songs Box:6枚目10曲目
歌い出し:morning 熱いコーヒー afternoon 町にお出かけ twilight 彼と約束 misty-night肩を抱かれて
ポイント:洋楽そのものという感じのアレンジ。 なんという聴き心地の良い曲なのでしょう
77年9月発売、アルバム「キャンディー・レーベル」のコンパクト版4曲中の一曲。この4曲は「キャンディ」、「キャンディ・ツイスト」、「キャンディ・サンデー」、「シュガー・キャンディ・キッス」とキャンディずくし。また、その一曲一曲の味わいの深いこと。まさにキャンディー・レーベルのメイン面ともいえるのでないでしょうか。
キャンディ・サンデーの動画
「キャンディ・サンデー」は田中好子(スーちゃん)のリードボーカル。2分ちょっとの短い曲ですが、魅力的な小品と思いませんか。
キャンディ・サンデーの魅力
イントロの抑えたトーンのリードギター、さらに控えめに絡むスチールギター。「morning~」からはじまるハーモニー。この曲、本気で洋楽(カーペンターズか何か)のカバーと信じていました。しかし実はそうではなく、作詞は喜多條忠、作曲と編曲は馬飼野康二とまさにメイドインジャパンではないですか。しかし、(歌詞はもちろん日本語ですが)邦楽っぽさを微塵も感じさせない曲、詩、アレンジになっているなあと感心するところであります。
作詞は喜多條忠はご存じのとおり、「神田川」であまりにも有名ですが、キャンディー・レーベルではシングル曲「暑中お見舞い申し上げます」をはじめ、「気軽な旅」、「オレンジの海」、「ガラスの星」と重要曲を担当していて、この時期のキャンディーズサウンドにはかなりの貢献をしているいえます。(シングルでは「やさしい悪魔」、「暑中お見舞い申し上げます」、「アン・ドゥ・トロワ」と3曲連続で担当)。
しかし、洋楽っぽければいい曲とは限らず、この曲の魅力は、「曲のアレンジ」、「クリアなハーモニー」、そして「スーちゃんの歌声」にあるのかと思っています。
曲のアレンジはライトでポップな都会派のカントリー調(この表現であっているでしょうか?)。ストレートに言うとカーペンターズの曲調。紛れ込ませたら、ボーカル以外はわからないと思います。バックが派手な何かをするわけではないですが、それぞれの楽器がしっかりとそれぞれの役割をこなして全体の雰囲気を作り出しているように思います。
そして、ハーモニー。実際は曲の冒頭、「morning~」のところと、サビの「素敵な 素敵な キャンディ・サンデー」のところと、短いパートではありますが、極めて耳に心地よく響き渡ります。
そして、スーちゃんのリードボーカル。短い曲で、さらに単語を重ねていくような歌詞なので、一言一言やさしい声で囁くように歌っています。ほかの曲でいうと、「土曜の夜」も似たような印象を受けます。スーちゃんは実はこのような曲は似合っているのかもしれませんね。
個人的に一番好きなのは特に2番のサビの部分、
車ですぐに 迎えに来てね
さびしがり屋の 海辺の trip
の「車で」「迎えに」のところ。全体的に抑えたトーンのアレンジの中で、一瞬キラリとした輝きを魅せてくれています。
本当に耳に心地よいの良い、何かオルゴールを聴いているような感覚も受ける曲です。
まったく派手さはないのですが、曲を作る上で全体のバランスって大切なんだなと感じさせる一曲です。
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アップしました!
08 7月 2012 at 9:47:02
見事な解説で、余分なコメント無用ですが、
良き時代の都会での、一陣の涼風みたいな佳曲ですね。
本当に素敵なキャンディーズ。
ただ、スーさんのソロ部分を聴くと
missing you の何とも言えない気持ちになってしまう。
21 7月 2012 at 8:04:46
庵敦さん、コメントいただきありがとうございました!
記事を書いた甲斐があります。
>ただ、スーさんのソロ部分を聴くとmissing you の何とも言えない気持ちになってしまう
ほんとうに同感です。
22 7月 2012 at 15:27:55